ロシア情勢に詳しい軍事評論家の小泉悠さんが日本の良さの一つに、「ぬるいんですよね、そういう国なかなかないしそのいいところがなくならないよう願っている」といった話をして、思ってもいない視点に感動したことがあります。
国会で予算や制度の大事な審議とともに石破首相が若手議員に10万円ずつ配ったことも大きな問題になっています。「配った理由が、私も若い頃いただいて大変ありがたかった」というものでした。個人のお金だと言いますがそこは別経理処理をしたとしか思っていませんが。どうせ税金を回り回りしながら使うことでしょう
確かに国を揺るがせ自民党衰退の端緒となっている莫大な裏金問題を考えると、そこに紐付くことなので、決して揺るがせにはできないと思いつつ、 あーーーこういうシーンが日本のぬるさだし、平和なんだなあ、と小泉氏の発言が実感として感じられ、いままでだったら、10万円配るその体質がいけないんじゃないの!! と金切り声をあげていたはずの私です。
そう思ってテレビを観ていると、予算や制度の話と10万円追求の話は切り離してできないもんかしら、その方が丁寧に追求もできるしただ追求するだけではなく一定の理解を見せつつそれではダメなんだという、論陣を張れるんじゃないかと思いました。
1定の理解、というとそれはイコール認めることであり許してはいけないことだとなるかもしれませんが、お金を配る背景への理解ということです。
選挙にかかる大金は候補者を苦しめているから、当選する前にすでにそれぞれに絡め取られるのではないだろうか。苦しい戦いのなか手を差し伸べられたら裏切れないのも日本人の良さでもあると思います。
この10万円を腑分けしてよくみると、しみじみと10万円されど10万円で、先輩陣営は君を見守っているよ、とも聞こえてきたのではないだろうか
数千万円で夫婦揃って議員辞職になってしまったことと、そこに流れているお金に表現されることは同一だけど、日本列島を金まみれにした田中角栄の浪花節が懐かしいのはいけないかしら


私はしがない庶民なので自民党に投票はしませんが、自民党を否定してはいません。
色々な立場の人が暮らしているから色々な代表が必要になります、ありがたい民主主義です。連立などでドッコイ芸を披露する時には重宝な政党もあって良しかな。
そう言えるのも、庶民の暮らしが良くなるか、金持ちの懐がよくなるか、はたまた庶民に流行りの投資で儲けたい私たちの仲間がプチ嬉しくなるか、など暮らしは変わるけど、戦争で肉親が派兵されたりすることには歯止めのある憲法があるから安心ですが、戦後80年なので色々な軋みや制度疲労でその憲法もとやかく言われて始め、孫世代の時代にはこんなに安心していられるかどうか心配です。
今はかろうじて、ぬるさで乾杯程度のところで本当にありがたいと思います。
ウクライナ戦争の推移を見ると、大国の残忍さ底知れぬ貪欲と平気な裏切り弱肉強食が繰り広げらています。ガザの恐ろしさ、シリア、少し前のアフガン、どこにもロシアとアメリカが入りこんでいます。今中国も大いにアフリカを舞台に画策しています。
イギリスやフランスは前の世紀にはその立場であったしその前にはスペイン、ポルトガルだったと思います イギリスももちろん。
10万円国会に日本の平和を思う時、ウクライナやガザを思うと申し訳ないと心がちくりとします。ちくりで済むことをありがたく思うことにも何か辛いものがあります。
心がちくりとすることのないような世界がつくづく欲しいものだと思います。


